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そもそも競馬における血統とは?
血統とは競走馬の父馬と母馬を表現したもので、それを先祖代々まで示しているものを血統表(人間における戸籍のようなもの)と呼びます。サラブレッドの世界では、生まれてきた仔馬の血統を管理する制度が世界的に整備されていて、日本の場合は公益財団法人のジャパン・スタッドブック・インターナショナルに血統登録をしないと競走に出走することができまない仕組みになっています。
例えば、有名な競走馬のディープインパクトの場合、父はサンデーサイレンス、母はウインドインハーヘアという馬から誕生しました。更に遡ると父のサンデーサイレンスは父父ヘイローと父母ウィッシングウェルいう両親から生まれたということが血統表からわかるようになっています。
余談ですが、ディープインパクトは日本産、サンデーサイレンスはアメリカ産、ウインドインハーヘアはアイルランド産と3つの国に跨る血統も、このように正確にわかるいうことからも、世界的にサラブレッドの血統登録の仕組みが機能していることがわかります。
【基礎】三大始祖とは?について
サラブレッドには三大始祖と呼ばれる祖先がいます。現代で活躍しているほぼ全ての馬のサイアーライン(父系の祖先)を辿ると「ゴドルフィンアラビアン(ゴドルフィンバルブ)」「バイアリーターク」「ダーレーアラビアン」の3頭にたどり着きます。この3頭のことを三大始祖と呼びます。この3頭は人気競馬ゲームの「スターホース」にもライバルとして登場しましたので、比較的競馬ファンには認知度が高い馬だと思います。
ゴドルフィンアラビアン系
ゴドルフィンアラビアンは1724年生まれ(諸説あり)で、水車を引く馬だったとされる。現在の競馬の90%を占めるエクリプスの母父としても知られている。(そのため、父系としての発展は苦戦)。自身の系統からマッチョムが誕生し、マッチョム系の祖先として発展を遂げる。ヨーロッパの亜流血統だったが、アメリカで歴史的名馬のマンノウォーが誕生し、現在はその子孫を中心に系統として残っている。
|ハリーオン
|マンノウォー
||レリック
||インテント
|||インテンショナリー
||||インリアリティ
バイアリーターク系
出生年はイギリスに渡った1688年末に約8歳であると考えられており、彼の誕生年は1679年頃とされてます。名前の由来である所有者のロバート・バイアリー大佐に渡った経緯は諸説あるが、ロバート・バイアリー大佐は本馬を自身の軍馬として使用し、同馬と共に多くの殊勲を挙げたとされている。サラブレッドの三大始祖となる同馬の走りは素晴らしかったようで、戦場でそのスピードを活かした活躍の他、軍馬の競走においても、最優秀賞を獲得したとされる。
バイアリーターク【世界の名馬集】
現在直系はリュティエ系がわずかに残っている程度で、その系統の存続が危ぶまれています。
|トゥルビヨン
||クラリオン
|||クレイロン
||||リュティエ
||パーソロン
|ハイフライヤー
||ウォルトン
||サーポール
ダーレーアラビアン系
1700年ごろの生誕とされるが詳細は不明。名前はダーレー所有のアラブ馬という意味で、シリアの遊牧民アラゼー族によって生産された純血アラブ種という見方が有力(ターク種という説もある)。
ダーレーアラビアン【世界の名馬集】名馬のフライングチルダーズの全弟であるバートレットチルダーズ(Bartlet’s Childers)から数えて5代目玄孫のエクリプス (Eclipse) より、その勢力を拡大。エクリプス (Eclipse) の血統が世界的に大繁栄した。統計的には、現在のサラブレッドの父血統を遡ると9割以上はダーレーアラビアンにたどり着くとされる。
エクリプス
|タッチストン
||ヒムヤー
|||ピーターパン
||ダークドナルド
|||サンインロー
||||エルバジェ
|||アルヒミスト
||ケインズパラ
|||ハイペリオン
||||オーエンテューター
||||ロックフェラ
||||オリオール
|オーム
||テディ
|||ダマスカス
||||プライベートアカウント
|ファラリス
||ファリス
||ネアルコ
|||ナスルーラ
||||グレイソヴリン
|||||フォルティノ
|||||カラムーン
||||プリンスリーギフト
|||||テスコボーイ
||||ボールドルーラー
|||||シアトルスルー
||||||エーピーインディ
||||レッドゴッド
|||||ブラッシングブルーム
||||ネヴァーベント
|||||ミルリーフ
||||||シャーリーハイツ
|||ダンテ
|||ロイヤルチャージャー
|||||ヘイルトゥリーズン
||||||ロベルト
||||||ヘイロー
|||||||サンデーサイレンス
||||||||ディープインパクト
|||||サーゲイロード
||||||サートリストラム
|||ニアクーティック
|||||ノーザンダンサー
||||||ニジンスキー
||||||ヴァイスリージェント
|||||||デピュティミニスター
||||||リファール
||||||ノーザンテースト
||||||ダンジグ
|||||||デインヒル
||||||ヌレイエフ
||||||ストームバード
|||||||ストームキャット
||||||||ヘネシー
||||||サドラーズウェルズ
|||||||ガリレオ
||ネイティヴダンサー
|||レイズアネイティヴ
||||ミスタープロスペクター
|||||ファピアノ
|||||ウッドマン
|||||ゴーンウェスト
|||||フォーティーナイナー
|||||キングマンボ
||||||キングカメハメハ
||フェアウェイ
|||フェアトライアル
||||ペティション
|||ブルーピーター
||トムフール
|||バックパサー
|ブランフォード
||ブレニム
|||マームード
|||ドナテッロ
||ブラントーム
||バーラム
||||||モンズン
|セントサイモン
||フロリゼル
||プリンスローズ
|||プリンスキロ
||||プリンスジョン
||||ラウンドテーブル
|||プリンスビオ
||||シカンブル
|||プリンスシュヴァリエ
||リボー
|||トムロルフ
|||グロースターク
|||ヒズマジェスティ
||ワイルドリスク
||ボワルセル
|||ヒンドスタン
競馬の血統シェアについて
先ほどの項目で「三大始祖」について解説しましたが、その子孫たちの現在の血統のシェアはどうなっているかについて見て行きます。流石に「ダーレーアラビアン系が90%以上!」では参考になりませんので、ダーレーアラビアンから枝分かれした、その子孫達を大きな区分で見ていきたいと思います。
2021年のJRAリーディングサイアーTOP100の賞金額を元にシェアを算出してみました。
系統名 | 獲得賞金(万円) | シェア |
サンデーサイレンス系 | 2,883,271 | 44% |
(うちディープインパクト系) | (1,255,553) | (19%) |
ミスタープロスペクター系 | 1,812,130 | 28% |
(うちキングマンボ系) | (1,419,645) | (22%) |
ノーザンダンサー系 | 716,527 | 11% |
(うちストームキャット系) | (353,467) | (5%) |
ロベルト系 | 596,108 | 9% |
ナスルーラ系 | 393,828 | 6% |
ヘイロー系 | 58,999 | 1% |
ブランフォード系 | 52,113 | 1% |
ヒムヤー系 | 23,085 | 0% |
ニアークティック系 | 17,576 | 0% |
これを見ると日本の競馬の特徴が出ていますね。現在はやはりサンデー系(サンデーサイレンス系)がシェアTOPです。次いで多いのがミスプロ系(ミスタープロスペクター系)、以下ノーザンD系(ノーザンダンサー系)、ロベルト系と続きます。
血統で馬券を考えるのであれば、4割以上がサンデーサイレンスということを考えると、まずは”サンデーサイレンスかそれ以外か”という判断になるかなと思います。
血統で馬券を予想するということは、こういう血統での取捨選択をどの水準まで切り分け(分類)を続けていくか、ということになります。
例えば、賞金額のシェアから以下のように細分化する方法もあるかと思います。
└「ディープインパクト系」「ディープインパクト系以外」
②ミスタープロスペクター系
└「キングマンボ系」「キングマンボ系以外」
③ノーザンダンサー系
└「ストームキャット」「ストームキャット系以外」
私の場合は、血統で馬券を予想する際には、より個別の種牡馬の特性を優先しているので、大系統については逆にざっくりと「サンデーサイレンス系」「ミスタープロスペクター系」「ノーザンダンサー系」「ロベルト系」「その他系」の5つぐらいに分けて見るようにしています。
この辺りの分け方は人によるので、血統を馬券の参考にするのであればご自身なりの分け方を作った方がいいと思います。
血統は重要?それとも関係ない?あてにならない?
血統は当てになるのか(あてになる)、それとも当てにならないのか(あてにならないのか)というのは、競馬ファンにとって永遠の議論です。血統はオカルトだと言い張る人もいれば、血統だけで馬券を購入する人がいるなど、競馬ファンの議論がかなり分かれるポイントとなっております。
血統は重要・当てになる派のご意見
血統が当てになるという回答をされる方で多いご意見としては、血統評論家が成立していることです。歴史的にブラッドスポーツである競馬においては、繁殖させていく上で特に父馬・母馬の血統は重要視されております。
こういった歴史から、多くの馬主や生産者も血統を重要視しています。また、馬主や生産者の方々が馬を購入する中で血統評論家をアドバイザーとして付けて売買に参加することが多く、この辺りの血統に関する状況証拠を勘案すると、競馬(≒競走成績)において血統を否定するのは無理筋だというものです。
血統は重要ではない・当てにならない派のご意見
血統は当てにならないというご意見をされる方で、最も多いのは兄弟馬(姉妹馬)で成績が異なることです。血統が同じであれば得意条件や競走成績がある程度似ても良いにも関わらず、そうでない馬が存在することが否定的意見の要因になっています。また、その原因を外的要因や個体差に求めると、血統以外の要素と、外的要因を切り分けができないので、なおさら血統は重要ではないのでは?というご意見です。
私の血統に関する意見
私はサラブレッドである時点で、基本的には良血であると考えています。つまり、すべての馬はある水準以上の良いとされている血統である前提です。その為、同じレベルの集団の中でのわずかな差の中で何かしらの優劣をつけることや、大きな傾向判定には向くと考えていますが、能力なり素質を正確に判定したり、順番をつけるのには向いていないと思っています。
表にするとこのようなイメージを持っています。
能力が青天井で、能力に順番をつける必要があるような「GI(ジーワン)」「GII(ジーツー)」などの上級条件では、血統よりも馬の個体差をより重要視する必要があると思います。この領域においては、血統予想というのはあまり役に立たないと思っています。
一方で、競馬というのは競走成績によってクラス分けされています(≒能力の近い馬同士がグルーピングされています)ので、基本的にGIとGII以外では能力が同じぐらいの馬達の競走であると考えております。
そのため、主にGIII(ジースリー)以下のクラスが同じ馬同士の戦い※(もしくはハンデ戦で能力が同一になるように斤量を整備された戦い)においては、能力差が少ないことから、血統などのわずかな差が産み出す要素による影響が大きいと考えており、この層では血統による精査というのはある程度有効であると考えています。
※一般的にGIIIやOPに多い別定戦・ハンデ戦には能力が抜けたGIレベルの馬の出走が難しいと判断し、私の中ではGIII以下としています。
【初心者向け】血統の見方と馬券の予想方法について
では、実際に血統を馬券に反映させるにはどうすれば良いのでしょうか。必要なものは「競馬新聞などの馬柱」と「血統(種牡馬)傾向のデータ」の2点です。
競馬新聞などの馬柱に父馬と母馬(母父)の記載がありますので、まずはこの父馬と母馬の名前と種牡馬の傾向データと照らし合わせて優劣をつけるというものが一般的です。
例えば画像は架空の馬柱ですが、この画像のケースの場合は「人気馬(イチバンノウマ)の父は不得意な種牡馬のハーツクライなので、それよりも得意な種牡馬の人気薄(ニバンノウマ)を狙ってみよう」というようなイメージです。
【初心者向け】血統についての勉強法・覚え方
では、血統をこれから覚えたいという方はどのように勉強したり覚えたりすれば良いでしょうか。
アプリなども探してみたのですが、あまりいいものはありませんでしたので、まずはゲームで覚えるのがいいと思います。有名血統評論家の亀谷氏もダビスタ(ダービースタリオン)から血統を覚えたとのことですので、血統を把握するという意味では勉強をしやすいツールと言えます。
- ダービースタリオン(現代血統を覚えやすい)
- ウイニングポスト(歴史を遡って覚えやすい)
また血統に関する本を読むというのもいいでしょう。特に種牡馬にフォーカスを当てた本は読み物として面白いので、競馬ファンなら比較的入りやすいと思います。
主要種牡馬の血統的な特徴・傾向について
主要な種牡馬の血統的な特徴について語っていきたいと思います。データをどう読み解くかという点については、人によって解釈が異なりますので、あくまで私の解釈という点でご理解をいただければと思います。
サンデーサイレンス系の主要種牡馬の特徴一覧
日本の競馬を大きく変えた種牡馬の一頭であるサンデーサイレンス。激しい闘争心と鋭い末脚を武器に日本の血統の勢力図を塗り替えました。同馬の産駒はクラシックなどを中心に芝の大レースで活躍した馬が多く、後継種牡馬には芝のマイル以上を得意とする馬が多いです。しかし、サンデーサイレンスは”母馬の良さ(強み)を引き出す”という点が優れていたことも知られており、その影響で母系にダート色が強い母馬や短距離で活躍した母馬から、ダートや短距離など芝の大レース以外で活躍した産駒も産まれており、それらが後継種牡馬として芝レース以外でも活躍の幅を広げております。
ディープインパクト産駒の血統的な特徴
- 直線の長いコースで良績(芝1600~2400m)
- 牝馬でも成績が落ちない
- ダート短距離は苦手
- 芝の不良馬場は苦手、ダートの不良馬場は得意
種牡馬としての特徴は芝の中距離前後で末脚を活かすタイプが多く、自身の競走成績と重なる部分が多いのでイメージしやすいと思います。フィリーサイアー(牝馬の活躍馬が多い)と呼んでもいいほど、牝馬の活躍が目立つが牡馬も優秀であるため、牡馬牝馬の区別はそこまでシビアになる必要はない。
雨をやや苦手としているが、ダートに関しては足抜きが良くなる程、成績が良化するので覚えておきましょう。
ハーツクライ産駒の血統的な特徴
- 短距離は苦手で、2000m以上の中長距離は好成績
- どのコースでも平均的に好成績
- ダートでもほとんど戦績が落ちない
- 芝・ダートとも馬場悪化は減点材料
産駒の特徴としては1200mや1400mは明確に不得意でマイルは普通。2000mぐらいから成績を上げております。ダートでも成績が落ちないので本質的にはパワーがあるタイプの種牡馬です。あとはあまり触れられることが少ないですが、実は馬場の悪化は苦手なタイプ。
キズナ産駒の血統的な特徴
- 直線に坂があるコースがベター(福島除く)
- 牡馬・牝馬どちらも成績が良い
- ダートは芝よりも好成績(特に1800m以上)
牡馬・牝馬とも成績があまり変わらずです。ダートは中距離以上が好成績です。特に一族のダート色が強いとより好成績です。
オルフェーヴル産駒の血統的な特徴
- 初年度のイメージを変える必要がある種牡馬
- 現役時代のイメージと異なるコース成績
- ダートでもほとんど戦績が落ちない
そういった背景から事前の産駒への期待が非常に高かったのですが、期待が高すぎたゆえ、やや産駒の物足りない印象があります。(それでも初年度からGIホースを排出するなど、色眼鏡を外せば充分すぎるのですが・・・)
産駒は初年度産駒は「2歳」「牝馬」「1400mからマイル」で活躍しましたが、現在ではそれらの条件はやや苦手としております。また現役時代に新潟でデビューしたり、中山で圧勝しましたが、産駒の成績はそれらの条件では平均的なパフォーマンスです。
また現役時代に走ることのなかった、ダート1800m以上で良い成績を示しすなど、イメージと成績が異なる傾向を示しておりますので。注意が必要です。
ミスタープロスペクター系の主要種牡馬の特徴一覧
アメリカで「20世紀で最も繁栄した系統」と言われるミスタープロスペクター系。ミスタープロスペクター自身の現役時代は14戦7勝と平凡な競走成績でしたが、種牡馬入り後は毎年のように活躍馬を排出。更にその活躍馬の産駒も大活躍したことで、その血脈を一気に広げました。産駒は当初ダート色が強い馬が多かったですが、代を重ねるにつれ芝での活躍馬が出てくるなど、その血脈の幅を現在も広げています。
キングカメハメハ産駒の血統的な特徴
- 苦手な条件が少ない超オールマイティー種牡馬
- セン馬のみ成績が悪い
産駒の特徴としては、”特徴がないと言えるほどのオールマイティー種牡馬”です。苦手なコースも少ないため、減点材料が少ない種牡馬ですが、血統から馬券を購入しようとした時に過点もしにくいと言えます。
唯一、重箱の隅を突くのあれば、セン馬になった馬があまり良績でない点ですが、分母も少ないのであまり気にする必要はないですかね。
ロードカナロア産駒の血統的な特徴
- 意外と苦手な条件が少ないオールマイティー種牡馬
- 新潟直線1000mは今後も注意
- 牡馬の方がパフォーマンスが良い
- ダートは短距離に強い
産駒の特徴はイメージと異なり、芝のマイル〜中距離は着度数をやや落としていますが、2200m以上となると着度数が回復しており、父のキングカメハメハと同様にオールマイティーな傾向を示しています。またこれもイメージと違いますが、牝馬は中距離以上でやや苦戦傾向にあります。(アーモンドアイが異端と捉えていいでしょう。)
ダートはイメージ通り短距離で強い傾向です。また新潟直線1000mは好成績の兆しが出てきていますので、今後注目です。
ルーラーシップ産駒の血統的な特徴
- 他の馬がパフォーマンスを発揮しにくい条件に強い
- ダートは中長距離ほど高パフォーマンス
産駒の特徴としては、他の馬が苦手とするような条件に強く、例えば力を発揮しにくい距離で知られる芝2200mでは、芝2000mや芝2400mと比べて1~2割産駒の成績が良い傾向にあります。芝コースと同様に、ダートでも通常は中長距離ほど成績を落とす種牡馬が多い中で、逆に数字を上げています。
ドゥラメンテ産駒の血統的な特徴
- 芝の1800m以上で好成績
- 芝・ダート問わず短い距離はやや不振
産駒の特徴は同馬の現役時代の時に得意としていた条件で好成績で、特に芝2000mや芝2400mは高パフォーマンスです。しかし、短距離に関しては芝・ダート問わずにあまり得意条件ではありません。
リオンディーズ産駒の血統的な特徴
- 直線の長いコースで良績(芝1800~2400m)
- 高低差があるコースで高パフォーマンス
- ダートはフラットな評価でOK
産駒の成績を見ると、芝コースでは阪神(特に外回り)で良い成績ですが、新潟はやや数字を落としています。数字をよく見ると同じ洋芝でも札幌より函館の方が得意ですので、高低差のあるコースの方が良い傾向にあります。距離はマイルはあまり良くないので、1800m〜2400mぐらいがいいでしょう。
ダートは全般的に芝よりも全般的に数字を落としますので、芝でこそ狙いたい種牡馬です。
ノーザンダンサー系の主要種牡馬の特徴一覧
世界的に20世紀中最も成功した一頭として評価される偉大な種牡馬。産駒達が世界中で活躍しており、産駒達自身が大系統として血脈を成すなどノーザンダンサー系はその血を世界に広げています。ノーザンダンサー系自体はカナダ馬で、初期の活躍は北米中心でしたが、現在は北米よりもヨーロッパの方が勢いがあります。
ハービンジャー産駒の血統的な特徴
- 鋭い末脚を武器にする産駒が多い
- 芝の短距離はやや苦手だが、マイル以上は走る
- ダートは総じて苦手
通常ヨーロッパの中距離以上で活躍した種牡馬は日本のスピード馬場に苦しむことが多いのですが、同馬は鋭い末脚を武器にする産駒がいるなど芝レースでも活躍しています。ただし、短距離はやや苦手としている傾向にあり、ダートも良くありません。
また、上級クラスではディープインパクトが得意としている究極の末脚勝負となりやすい条件(例えば阪神外回り1600mなど)では、やや分が悪いので、そういった条件では展開・馬場などの助けが必要です。
ヘニーヒューズ産駒の血統的な特徴
- 芝コースは成績が良くない
- ダートはどの条件でも問題ない
ダートは短距離に良績がありますが、どのコース・距離でも基本は問題ないと考えた方が良いでしょう。
敗戦で人気を落として巻き返すというパターンも多いので、とにかくダートコースで見かけたら紐に入れておいた方がいいで翔。
ディスクリートキャット産駒の血統的な特徴
- 未勝利戦で好成績
- 馬場の悪化は歓迎
産駒もダートでの活躍が目立ちますが、芝のマイルだけは良い着度数なので頭の片隅に入れておきたい傾向です。
ダートでは特に未勝利戦で人気よりも走る傾向が目立ち、特に重馬場や不良馬場など馬場が悪化する条件を得意としております。
ドレフォン産駒の血統的な特徴
- 芝・ダート問わず産駒は活躍中
- ただし、良績は芝よりダート
ただし、成績をフラットに見ると良績はダートと明確に言えるほど、芝とダートで産駒の成績には差がついており、まずはダート戦で購入を検討したい血統です。
ロベルト系の主要種牡馬の特徴一覧
ロベルトはサンデーサイレンスと同じ系統であるヘイルトゥリーズン系の代表産駒の1頭です。自身はアメリカ生産馬ですが、イギリスのクラシックを目指し活躍していましたが、ヘイローはアメリカのダートで早い時期から活躍。こういった背景の違いもあり、ヘイロー系とロベルト系では産駒のイメージがやや異なる傾向にあります。
エピファネイア産駒の血統的な特徴
- 芝のマイル以上はどの条件でも良い
- 牡馬・牝馬とも好成績
- ダートは芝ほど良くはない
- 種付け料250万円時代の馬の成長力は?
産駒は芝のマイル以上ならコースや馬場状態問わず概ね好成績ですので芝コースでは基本的によく、ダートは芝ほどの万能感はありません。
一方で気になる傾向としては、古馬になってからの成績が3歳時よりも劣る産駒が多く、成長力はこれから見ていく必要があります。ただし、現在古馬になっている馬は種付け料250万円の時の産駒ですので、今後繁殖の質が上がってきた時に改めて判断する内容かもしれません。
モーリス産駒の血統的な特徴
- 牡馬の方が成績が良い
- 芝2000mで好成績
- 古馬混合戦の方が着度数が良い
産駒の傾向としては、牝馬よりも牡馬の方が活躍が目立っています。また芝2000mで好成績を収めています。ダートは悪くはありませんが特筆するものではありません。
モーリス自身も現役時代は晩成傾向でしたが、世代戦よりも古馬混合戦になってからの方が産駒の着度数が良いので、同馬の産駒もそういう傾向にあるかもしれません。
あとは、まだサンプル数が少ないですが、シャトル馬で残したオーストラリアの産駒の走りやピクシーナイトを見ると、母馬が非サンデー系の方が大成しそうな雰囲気があります。
スクリーンヒーロー産駒の血統的な特徴
- 牡馬の方が成績が良い
- 距離は不問だが近年は少し長めの傾向
- 直線の短いコースが良い
典型的なコルトサイアー(牡馬の方が成績が良い)で、牡馬優勢で考えていい種牡馬です。産駒は芝では距離不問で活躍していますが、やや長めの距離の方が好成績です。
また近年は芝よりもダートの方が着度数が上になってきましたが、ダートではまだ人気に十分反映されておらず、妙味があります。
その他系(ナスルーラ系・他)の主要種牡馬の特徴一覧
その他系ではナスルーラ系、ヘイロー系、ブランフォード系、ヒムヤー系が日本で活躍をしています。ナスルーラ系は世界で見るともっと大きな血脈ではありますが、この項ではその他と称して一纏めにさせていただきます。
シニスターミニスター産駒の血統的な特徴
- 芝コースは全くダメ
- 道中の高低差が大きいコースは苦手
- ダート1400m~1700mが狙い目
ダートコースを中心に地道に成績を上げ続け、種付け料も徐々に上昇中です。ちなみに芝コースは過去3年で34回走って3着3回と無視していいレベルです。
産駒の特徴としては、馬場状態は不問ですが、道中の高低差が大きいコースはやや苦手傾向です。またダート1000mや1200mは他のスペシャリストの方がやや優勢の場面が多く、1400m~1700mがちょうど狙い目です。
パイロ産駒の血統的な特徴
- 芝コースはダメ
- 仕上がりが早く2歳戦は好成績
- 近年は古馬も徐々に着度数を上げている
パイロの産駒は仕上がりの産駒が多く、年齢が上がると苦戦する傾向にありましたが、近年は4歳以上の条件でも徐々に着度数を上げているの注意。
マジェスティックウォーリアー産駒の血統的な特徴
- ダートのマイル以上で好成績
- ダートの短い距離では苦戦
産駒の特徴としては、ダート1600m以上で好成績。一方で1000m~1400mでは成績を落としているので、覚えておきたい傾向です。